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ゴジラはいるのか?

2021年2月27日

子供のころ初めてゴジラを映像で見たとき、何とも言えない恐怖を感じたことを覚えています。
ピュアな子供時代です。
動きが不自然とか中に誰かが・・・(笑)など思う前に、親の前では強がっているものの「いつか自分も襲われるのではないか」と内心不安を感じていました。
テレビの中だけではなく、実は自分たちと同じ世界に実在するのではないか、と。

以前に読んだ本に、日米のゴジラを比較した面白い記載がありました。
円谷プロのゴジラとハリウッドのゴジラ(GODZILLA)の違いについて書かれたものです。
日本(円谷プロ)のゴジラシリーズのリブートを取り入れてアメリカ(ハリウッド)で制作されたことは多くの方がご存じかと思います。
ネットで検索すれば初代からハリウッド版まで、これまでのゴジラの姿が比較しながら見れますが、改めて冷静に見比べると全く違いますね。
映画技術の進化もありますし、今と昔のどっちが優れているなどの問題ではなく、何というか昔のゴジラはとても人間っぽい!
一方のハリウッドはCG技術を活用して作られているだけあって臨場感があり、これぞリアルゴジラだ!と思わせます。
でも不思議です、だれも“本当の”ゴジラに出会ったことが無いし、日米とも同じゴジラなのに、ハリウッド版に「リアルゴジラ」と感じるのはなぜでしょうか?
なにが“リアル”さなのでしょうか?

ハリウッド版ゴジラは、とにかくスケールが大きくて迫力があり、そして表情も身体の動きも滑らか。
戦闘シーンなど迫力満点、「これこれ、これぞゴジラの戦い方なんだ!」と思わせてくれます。
一方の円谷版ゴジラは、戦い方は肉弾戦で、身体が固くて動きもぎこちなく見えます。
“リアル”さで比較すればハリウッド版ゴジラに軍配が上がるでしょうか。
でも我々の脳裏にゴジラとして焼きつくのは円谷版だと思いませんか?
もちろん受け止め方は人それぞれですが。

なぜだろうと考えてみると、ハリウッド版ゴジラがCGであることにも関係するのかなぁと感じます。とにかく全てがリアルなんです。
ジュラシックパークもそうですが、きっと現代にゴジラや恐竜が生きていれば、きっとこんな姿でこんな暴れ方をするんだろうなぁと思ってしまいます。
この「だろうなぁ」がポイント!
そうです、これは映画やテレビの中のものだと脳が知っているので、受ける恐怖も映像を見ている間で終わってしまうのです。
一方で円谷版ゴジラはどうでしょう?
実在するかと問われれば即座に否定しながらも、「本当に居たら怖い!」と感じます。
暗い夜道に出てきそうじゃないですか、円谷版ゴジラ。
でもハリウッド版ゴジラは絶対に出てこないという確信がある。
「だろうなぁ」ではなく、「ではないか」を感じさせる何かがあります。
リアルゴジラではなく「ゴジラっぽい」と感じます。

われわれは正解(らしきもの)を見せられたときに思考停止しがちです。
CG技術の進歩により現実と仮想の境が無くなりつつあります。
「本当に有りそう(居そう)」と「でも絶対にあり得ない」を同時に感じ、それで終わりです。
我々の脳は、不確実なものや不安定なものを見せられたときに頭の中で修正をする特性を持っているそうです。
有る(居る)はずのないものを有ったら(居たら)と想像すること。
我々は円谷版ゴジラのぎこちない動きに“人間らしさ”を感じ、“ゴジラっぽさ”を自分の脳に思い描きながら映画を見ているのではないでしょうか。
そうすることで自分の頭の中にゴジラがイメージされ、居るはずのないゴジラが頭の中で暴れだす。
ハリウッド版ゴジラは、そこ(映画の中)にしかいない。
円谷版ゴジラは、どこにでもいそうでどこにもいない、でも出てきそう、そして脳裏に焼き付く。

あらゆる技術の進化により、我々は容易に疑似体験をすることが可能になりました。
小説を読んで感じた風景やガイドブックでワクワクを感じた外国の街並みを、今やPCやスマホがあれば、あたかも今この瞬間にその場に居るかのような体験をすることも可能です。
頭の中で想像を膨らませることなく、仮想現実(正解)を見ることによって満足してしまう。
そして、いつでも見れるので記憶にもとどまらない。

最近の子供は本を読むことが少なくなったと言われます。
大人にも当てはまりますね。
読書好きとしては、本を読まないのはもったいない!と感じます。
小説を読めば、自分を登場人物に投影して、あたかも自分のストーリーのように想像する。
歴史物を読めば、もし自分がその時代に生きていたらどうするだろうと考えてみる。
自己啓発本を読めば、書いてある内容を実践した自分をイメージしてワクワクする。
頭の中に現実とは違う自分を想像すること、これほど好奇心を刺激することはありません!

本を読みましょう!特に子供のうちに!
そして子供たちの想像力を認めて、高めてあげましょう!
サンタさんはきっとフィンランドに住んでいて、大きな丸い体で、赤い服を着て白いひげを蓄えており、いつも笑顔で、クリスマスになると“良い子”にトナカイに乗ってプレゼントを届けに来てくれるのです!

ゴジラの話から、最後はサンタさんの話で締めました。

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