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ブログ・お知らせ

タッチハンガー

2021年4月24日

「タッチハンガー」
ずいぶん前に読んだ本のタイトルで、2009年に書かれたものです。
タッチとはTouchのこと、ふれあい、接触、愛撫など。
ハンガーとはHungerのこと、渇望、飢えなど。
大きな問題を抱えているわけではないのに何か物足りない、何となく体調が悪い、でも決して不幸なわけではない・・・そんな現代病ともいえるような症状に対して、その原因は「タッチハンガー」によるのではないかと訴えます。
本では主に女性(現代日本に住む女性)に向けてのメッセージでしたが、男性の私にも十分に共感できる、思い当たる内容でした。
過激(刺激的?)な描写や表現もありましたが、人に触れること、触れられること、そしてその触れ方の大切さを再認識できます。
この本を思い出して“触れ”たということは、きっと私もいつの間にかタッチハンガー状態だったのだと思います。
思い当たる節は・・・など考えるうちに、「そういえば最近握手していない」ことに気づきました。
仕事でもプライベートでも、よく握手やハグをしていましたが、新型コロナ感染症が蔓延して以降、ほどんど記憶がありません。

まだサラリーマンの下っ端だった頃、握手は苦手でした。
そう見られることは少ないのですが、私は人見知りで緊張しぃ、面談・商談の場ではいつも手汗をかいていました。
だから人に握手を求められるのが嫌で、面談中からどうやって乾かそうか、ハンカチを握りしめながら時間を過ごしていたのを思い出します。
今は、決して余裕が出てきたわけではありませんが、大切な人や商談であれば、次に会いたいと思えば、そして状況や相手にあわせて進んで握手をするようになりました。
大きな手、小さな手、柔らかい手、ゴツゴツした手、そしてシットリした手。
どんな手であっても関係なく、別れ際の握手によって一気に距離が縮まります。
逃したくない商談の最後にも効果を発揮しますね。
そんな経験や思いを持つ方は少なくないと思います。

これです!
最近何となく調子がでないような感覚が続くのは、やはりタッチハンガー状態なのです。
握手どころか、面談自体がマスクで顔の半分を隠して透明フィルム越し。
マスクのせいで声が籠ってお互いに聴きとりにくい。
そして顔の半分が隠れてしまうと目から得られる情報も限定的となり、マスクの小刻みな動きや汚れなどどうでもよいことに意識が向いてしまう。(集中できていませんね。。)
良い面談ができた!と思っても、握手どころか顔を近づけることもでないまま別れ際が素っ気ないものだと不安になる。
そもそも最近はリモート面談が大半なので生身の人間に触れる機会がない。
まぁまぁ深刻じゃないですか? 私だけ??

この本が書かれたのは10年以上前です。
その当時は「確かにそうかもなぁ」程度の感想しか持ちませんでしたが、改めて読むと「そうそう!その通りだ!」と感じます。
著者が言いたいこととは違う解釈をしているような気もしますが。

今のような状況下であまり無責任なことは言えませんが、それでも、出来る範囲でタッチは大切にしたいですね。
家族や信頼関係のある人だけでも良いです、きっと人肌がパワーを与えてくれます。
それにこんなタッチハンガー状態が続いたら、人間が持つ大切な感覚が退化してしまいそうで・・・怖い。

ちなみに紹介したこの本「タッチハンガー」は、著者自身の経験、また海外でのタッチする文化の解説とあわせてとても興味深い内容です。
著者は「オニババ化する女たち」という本でも有名になった三砂ちづるさん。
興味を持たれた方は、是非!
読んだら人肌恋しくなりますよ!

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