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ブログ・お知らせ

サ高住のミライを考える

2017年7月18日

ネット上で気になるニュースを目にしました。
タイトルは『サービス付き高齢者向け住宅、制度開始5年で廃業125か所』というもの。
所管する国土交通省の調査のようですが、この数字以外に、背景には今でも経営に苦しむ廃業予備軍が多くあるのではないでしょうか。
廃業数は年々増加の傾向にあります。
全てが同じ原因ではないでしょうが、記事にある事業者の声として「想定よりも入居者が入らず、建設費を返済するメドが立たなくなった」とのコメントが掲載されています。

サービス付き高齢者向け住宅は、平成23年4月に改正案が可決された「高齢者住まい法」により環境が整備され、事業者に対して大きな門戸が開かれました。
制度上は賃貸住宅であり、自治体の申請や事業計画チェックなどの要件・規制が緩く、それを問題視する声も少なくありません。
実態は、入居者の約9割が要介護状態の方、うち約4割が認知症の方であり、これはもう立派な介護施設と言えます。
廃業と簡単に言っても、そこに住む方、預けるご家族からすればたまったものではなく、自治体としても介護制度の基盤を揺るがす事態です。
自らの意志ではなく環境(住まい)の変更を余儀なくされる・・・我々でも戸惑うようなことを強要し、言い方を悪くすると「介護難民を減らす役割を担うべきサ高住が、新たな介護難民を生み出している」のです。

当社は平成27年7月に神戸市内にて1棟目をオープンしました。
私自身が、住まいの確保という社会問題へのソリューションとして住宅事業に関心を持っており、今後も積極的な展開を決定・計画していますので、他人ごとではありません。
ここ最近、ハウスメーカーや建設会社の方と話をする機会が増えているのですが、大手になると「サ高住の建設計画は2~3年待ち」なんだそうです。
この話を聞くたびに違和感を覚えるのですが、そこに飛び込んだのが冒頭のニュース。
もともと来年予定される報酬改定でもサ高住は見直しの対象と言われている中、より厳格化が進むことは間違いなさそうです。

私にとっての住宅事業は、もちろん手掛けるからには収益は意識します、事業ですから。
ただ「儲かるから」「成長分野だから」など単純な考えは念頭にありません。
介護や福祉など狭い範囲ではなく、もっと本質的な問題を考えると・・・
「医療の発達により人は簡単には死ねなくなった」
「理由・事情は別として、家族と一緒に暮らせない高齢者が増えている」
こうした現実に事業としてどれくらい真正面から向き合うことができるのかが重要と考えています。
タブーでも何でもありません。

 介護のミライは自分のミライ
 ファミリーファースト

当社が掲げる事業コンセプトを大切にして、改めて今後の計画や考えに向き合ってみます。
同業の方々、ともに協力しあいながら頑張りましょう!

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