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ブログ・お知らせ

人材難とテクノロジーの進化

2019年6月5日

ネット上で見つけた、とある記事が目にとまりました。
『もうすぐ人間の仕事を奪う? ロボットが1日2万5000個のラズベリーを収穫』
https://www.businessinsider.jp/post-191580

ラズベリー収穫ロボットの話です。
記事に曰く「スーパーに陳列できるレベルの熟れ具合を判別」し、「1日に2万5千個以上を収穫(ちなみに人間だと1万5千個程度)」するロボットとのこと。
傷みやすく繊細な取り扱いが求められるラズベリーで成功すれば、次々と他の果物にも応用されることと思います。

この記事、普通に読めば、テクノロジーの進化によって農家の人が助かる話のように思えますが、どこか素直に受け入れられない自分がいます。
農業は、介護と同じく人材難に苦む業界と言われており、外国人の受け入れ準備なども急ピッチで進められています。
その意味でもテクノロジーの進化は歓迎されることでしょうし、歴史を振り返れば(良い悪いの議論は別として)様々な肥料や農薬、またF1種と呼ばれる種の登場など画期的な救世主が登場し続けているのも農業です。

私見です。
もともとロボットやAiは、人間が不可能とすることを可能にすることにこそ価値があるのだと考えます。
確かに、この記事にあるようにラズベリーの収穫量を圧倒的に増やすことも進化ですが、人間が2人いれば同じだけ収穫することは可能です。
周囲を見渡すと「今よりも効率的になる」という商品やサービスが溢れており、もちろん素晴らしいものも多くありますが、一方で人が活躍する機会を失っているという側面も見逃せません。
人口減少時代にあって効率化は必要なことではありますが、メディアで「人材難」「大規模リストラ」「人手不要の新技術」など一見矛盾するようなニュースを目にするたび、行き着く未来のことを考えてしまいます。
繰り返しますが私見であり、人間が出来ることを効率性という名目のもとオートメーション化することの良し悪しは簡単には言えません。

でも、こう思います。
我々は、何でもかんでも効率化を求めるようになり、額に汗をかいて労働することを避けるようになったのではないか。
労働こそ美徳なんて言うと今の時代にはタブー視されるのかも知れませんが、働く以上は大切にしたい考えです。
人間とテクノロジーは共存すべきで、どちらかがどちらかに取って代わるものではありません。
取って代わるなんて考えたら、恐ろしい未来しか見えません。
経営だって現場仕事だって、いつまでも人間にできること、人間がするべきことには誇りをもって取り組んでいきたいものです。

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