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ブログ・お知らせ

個人M&Aという選択肢

2018年7月15日

一冊の本を読みました。
『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』という新書で、「人生100年時代の個人M&A入門」というサブタイトルがついています。
何気に手に取り、数ページ読んで興味を持ちました。
このblogでも何度か話題にしてきましたが、100年人生が目前に迫るなか自分の老後は誰も保証してくれません。
自分のことは自分で考えて行動するべき、その備えは若いうちから考えて着手するべきだ、という考えをもとにして、著者は資本家を目指すことを提唱し、その選択肢として中小企業を個人買収することを説明しています。

ただ著者はその前提として、安易な起業に警鐘を鳴らし、そのリスクを訴えています。
確かにゼロイチ起業は難しい・・・
日本では、起業して5年後に残っている会社は半分以下の42%、10年後になると1/4以下の23%しかありません。
続けることは難しい、私自身も身をもって実感しています。。
だったら、ということで、

・リスクだらけのゼロイチ起業ではなく、過酷な10年を生き残った23%の会社に着目するべき。
・様々な事情で経営を譲りたいと考える会社は多い。
・サラリーマン時代に身に付いた経験・知識は中小企業経営において活かせる財産となる。

といったことが、具体的な事例とともに書かれています。
細かいことは抜きにして、その着眼点や提案内容は興味深いものがありました。
個人M&Aという手法はもちろんですが・・・
それ以上に中小企業経営者として、その経営の在り方、経営者として大切にするべきことを想い知らされました。
私も上場企業にて15年間のサラリーマン経験をし、その間に様々な教育や指導を受けられたこと、思い返せば大きな財産です。
この本を読み、その価値を再認識しました。
同時に、日々の業務に意識が向くあまり忘れがちだな、と。

当社では昨年より従業員教育においてコンサル会社と連携しています。
また私自身も、パートナーとともに事業としてコンサルを行っており、そのコンテンツは “人財育成” “チームビルディング” です。
大手企業では当たり前に行われている教育や、その積み重ねである組織風土や社内ルール・・・それが中小企業では意識しなければ高まらない。
即効性はなく時間がかかるので、時間とお金をかけて、それこそ何年も費やしながら醸成していきます。
中小企業の多くが人財採用に苦しんでいますが、受け入れる会社自身に育てる・育つ土壌がなければ優秀な人財は入りたいとは思いません。
そして優秀な人財は大手を目指す、悪循環ですね。

この本、著者の想いとは違う?かも知れませんが、同じ中小企業経営者に是非とも読んでもらいたいと感じました。
内容の大半はサラリーマン向けのエールですが、実は中小企業経営者への激励では・・・と勝手に感じながら読破しました。

大企業で培われた事業経験やマネジメント経験などを活かして中小企業の経営にチャレンジしてみよう!
・・・なんて言われると、なんだか悔しいじゃないですか。
でも謙虚に受け止めて、メンバーとともに精進していくのみです。

 

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